祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
「うーん…やっぱりキヨはイノリが好きなんだなぁ。わかってた事だけど」


「イノリはどうなのかしらね。イノリの恋バナなんて聞いた事ないけど」


「イノリなんてどうでもいいよ〜あんな野郎!」




ケンは嘆きながら飲み物を買いに食堂を出て行った。


カゼは何も興味なさそうにカレーをかき混ぜている。




「カゼは?最近どう?」

「………何も」

「そう。カゼは何にも動じないものね」

「………そうだね」



カゼとカンナが無言のまま座っていると煩い2人組がランチを運びながら戻ってきた。




「カンナお待たせ。…あれ、ケンは?」

「飲み物買いに行ったわよ」

「私も買ってこよう。みんなは何かいる?」




キヨの問いにカンナとイノリは首を振る。




「カゼは?」

「………コーヒー」

「わかった、待っててね」



カゼが頷くのを見たキヨは、ケンのいる自販機へと走っていった。



自販機の前ではケンが腕を組んで何かを悩んでいる。




「ケン?何やってんの」

「キヨ♪…みんな何が飲みたいかなって思って」

「あぁ。えっとね、カゼがコーヒーで私はジンジャーエールがいいかな。カンナとイノリは要らないって」




キヨの言葉に頷くとケンはジーパンのポケットから小銭を出して飲み物を購入した。




「なぁ、キヨ」

「ん?どうしたの?」



ケンは取り出し口から缶を取り出すキヨに話し掛ける。


キヨは缶を取り出すと、ケンの分のコーラをケンに渡した。
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