祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
その頃、新しく住むアパートで荷物の整理をするキヨとケン。
「ケン、これはここでいい?」
「うん、ありがと。高い所にしまうのは俺がやるからキヨは手が届く所だけでいいよ」
「はーい」
キヨは段ボールの中の荷物を整理していると、プリクラ帳を発見した。
懐かしく思ったキヨがページを捲ると、ほとんどのページが5人で撮ったプリクラで埋め尽くされている。
「キヨ〜、こっち終わったよ。キヨの手伝おっか?」
ひと通り片付けを済ませたケンがキヨの元へ行くと、キヨはプリクラ帳を見ながら泣いていた。
「…寂しい?カゼ達がいる家に戻ってもいいんだよ?」
ケンが屈んでキヨの頭を撫でるとキヨは首を振る。
「戻れないよ。楽しかったのは昔であって今じゃないもん…。私は自分で大切な場所を捨てたんだ。…今更戻るなんて都合が良すぎるよ」
「そんな事ないよ。カンナ達は何があってもキヨが好きだよ。今はキヨが自分を責めてるだけで、冷静になったらそれがわかるはずだよ」
「…ケン、私…カゼとの赤ちゃんを妊娠したの。…でも流産しちゃったんだ…」
「え!?妊娠?流産!?いつの間に…。もう体は大丈夫なの?」
心配そうな目で見つめるケンに頷くキヨ。
「本当にバカな事したよね。イノリと同じ気持ちを味わいたいとか言って、カゼもカンナもケンも…新しい命も犠牲にした。こんな最低な私は…何の為に生きてるんだろう」
「俺らの為だよ。俺らはキヨから沢山の幸せを貰ってる。
それにね、間違った道を歩く事も大切なんだよ。意味のない事なんて1つもない。だから1人で抱え込まないで?俺がいるだろ」
ケンは優しく微笑むと、キヨがいる部屋の片付けを始めた。
ケンのジーパンのポケットから覗く携帯のストラップ。
もうあの合鍵はついていない。
キヨの携帯にも…。
そして、あんなに大切に身につけていたネックレスすらキヨは外してしまっていた。
「ケン、これはここでいい?」
「うん、ありがと。高い所にしまうのは俺がやるからキヨは手が届く所だけでいいよ」
「はーい」
キヨは段ボールの中の荷物を整理していると、プリクラ帳を発見した。
懐かしく思ったキヨがページを捲ると、ほとんどのページが5人で撮ったプリクラで埋め尽くされている。
「キヨ〜、こっち終わったよ。キヨの手伝おっか?」
ひと通り片付けを済ませたケンがキヨの元へ行くと、キヨはプリクラ帳を見ながら泣いていた。
「…寂しい?カゼ達がいる家に戻ってもいいんだよ?」
ケンが屈んでキヨの頭を撫でるとキヨは首を振る。
「戻れないよ。楽しかったのは昔であって今じゃないもん…。私は自分で大切な場所を捨てたんだ。…今更戻るなんて都合が良すぎるよ」
「そんな事ないよ。カンナ達は何があってもキヨが好きだよ。今はキヨが自分を責めてるだけで、冷静になったらそれがわかるはずだよ」
「…ケン、私…カゼとの赤ちゃんを妊娠したの。…でも流産しちゃったんだ…」
「え!?妊娠?流産!?いつの間に…。もう体は大丈夫なの?」
心配そうな目で見つめるケンに頷くキヨ。
「本当にバカな事したよね。イノリと同じ気持ちを味わいたいとか言って、カゼもカンナもケンも…新しい命も犠牲にした。こんな最低な私は…何の為に生きてるんだろう」
「俺らの為だよ。俺らはキヨから沢山の幸せを貰ってる。
それにね、間違った道を歩く事も大切なんだよ。意味のない事なんて1つもない。だから1人で抱え込まないで?俺がいるだろ」
ケンは優しく微笑むと、キヨがいる部屋の片付けを始めた。
ケンのジーパンのポケットから覗く携帯のストラップ。
もうあの合鍵はついていない。
キヨの携帯にも…。
そして、あんなに大切に身につけていたネックレスすらキヨは外してしまっていた。