祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
街はいつもと何も変わる事なく、人々で賑わい、溢れていた。


人の声、店に流れる音楽、車のクラクションの音。



街行く人は、みんな何かを夢見て歩いている。

誰かを愛し、愛されながら。



人混みの中にいても、キヨは世界に一人ぼっちにされた気分だった。


何故こんなにも孤独感が押し寄せてくるのかが、わからなかった。





暫く歩いていると、待ち合わせのカフェに着いたキヨ。

中に入ると既に華月が待っていた。




「美月、こっちよ」



キヨに気付いた華月は手を軽くあげる。




華月の座っている席につくと、机にはイノリが吸っている銘柄の煙草の箱が置いてあった。


華月は当たり前のようにそれを吸い始める。




「…話って何?何かあったの?」



キヨはコーヒーを注文すると、華月の顔を見た。
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