祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

14・とっておきのラブソング

あれから長い時間が過ぎた。

キヨ達は大学4年生となり就職活動の真っ只中。



そんな中、息抜きという事でケンのバンドのライブにやって来たキヨとカンナ、そしてカゼ。

4人の関係は良好である。





「ケンは卒業したらバンド活動に専念するのかな?」


「そうなんじゃない?ケン、就活に力入れてないし。キヨが養わなきゃいけなくなるわね」


「本当だよ。大学辞めなくてよかったって今すごく思う」




ケンのバンドの番になるまで、ライブハウスのバーカウンターで話しているキヨとカンナ。


その隣りでカゼは無言のままカクテルを飲んでいる。




時折、女の人達に声を掛けられるカゼだが、何も反応しないまま酒を飲み続けていた。




「カゼ、さっきから飲み過ぎよ」

「………飲むのが久しぶりだからね」

「まぁ…飲まないとやってらんないわよね。毎日毎日就活ばかりじゃ」




カンナはカゼの背中をさする。
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