祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
15・過去、現在、未来
物心つく頃。
気付けば癖っ毛で少しつり目の男の子がいつも隣にいた。
その男の子がそばにいる事に、違和感を感じた事はない。
いつも手を繋いで、公園や山、土手や河原に連れて行ってくれた
口は悪いけど笑顔の優しい男の子。
私はどこにいても
いつも彼の背中を捜してた。
彼の姿を見失わなければ、何も迷わずに生きていけると思っていたから…
私は幼心に彼に惹かれているのだと感じた。
その男の子がイノリ。
「イノリ〜!」
そう気付いてからずっと、
私はイノリの名前ばかり呼んでいた。
それはもう
バカのひとつ覚えみたいに。
名前を呼べばイノリは笑ってくれる。
それが嬉しかった。
カンナ、ケン、カゼの3人とは違う気持ち。
5人で過ごす毎日の中で、私はずっとイノリが好きだったんだろう。
夏休みなどの長期休暇も毎日5人で遊んでいた。
「キヨ、遊び行くぞ」
「わーい!イノリ、今日はどこに行くの?」
「ケンが河原で魚掴みしたいんだってよ」
「えーっ。田んぼで泥んこ投げしたいよ」
キヨは嫌々と首を振る。
気付けば癖っ毛で少しつり目の男の子がいつも隣にいた。
その男の子がそばにいる事に、違和感を感じた事はない。
いつも手を繋いで、公園や山、土手や河原に連れて行ってくれた
口は悪いけど笑顔の優しい男の子。
私はどこにいても
いつも彼の背中を捜してた。
彼の姿を見失わなければ、何も迷わずに生きていけると思っていたから…
私は幼心に彼に惹かれているのだと感じた。
その男の子がイノリ。
「イノリ〜!」
そう気付いてからずっと、
私はイノリの名前ばかり呼んでいた。
それはもう
バカのひとつ覚えみたいに。
名前を呼べばイノリは笑ってくれる。
それが嬉しかった。
カンナ、ケン、カゼの3人とは違う気持ち。
5人で過ごす毎日の中で、私はずっとイノリが好きだったんだろう。
夏休みなどの長期休暇も毎日5人で遊んでいた。
「キヨ、遊び行くぞ」
「わーい!イノリ、今日はどこに行くの?」
「ケンが河原で魚掴みしたいんだってよ」
「えーっ。田んぼで泥んこ投げしたいよ」
キヨは嫌々と首を振る。