祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

1・幼なじみの5人

田舎のとある近所に同い年の子供が生まれたら

それはもう必然的に行動を共にする事になるわけで


物心ついた頃からいつも5人でいた。



どこに行くにも
何をするにも

必ず5人一緒だった。



5人でいる事が大切だったし、幸せだった。





それが当たり前となっていたから

私達が離れる事は絶対ないと、勝手に信じて安心していた。




だから私達は、大人になっていく度に絡まっていった関係に

気付きもしなかった…









某月某日の東京某所。


特に取り柄のない平凡な女、清田 美月(きよた みつき、通称・キヨ)が台所に向かうと、誰かが朝食を作っていた。




「おはようキヨ」

「おはよ。今日はカンナが炊事当番か!嬉しいな」



カンナとは黒花 かんな(くろばな かんな)という才色兼備の女の子。


美人でしっかり者の彼女はキヨにとって1番の親友であり、お母さんのような存在である。



キヨはカンナの他にイノリ、ケン、カゼという3人の男の幼なじみがいる。



幼稚園、そして小中高と同じ地元の学校に通い、大学生になった今、田舎を出て都内の一軒家で5人で暮らしている。



家族同然の5人は炊事、洗濯、掃除、ゴミ出しを分担して家事を行っていた。




「キヨ、男共起こしてきてくれる?」

「はーい、わかった」



キヨは3人を起こしに向かった。
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