祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
16・風が見えない
「………キヨ。俺とデートしよう」
再び4人で一緒に住み始め、ケンとキヨが付き合うようになったある日。
カゼがキヨの部屋にやって来た。
「デート?カゼどっか行きたいの?」
「………うん。だから行こう」
「カンナと行かなくていいの?」
「………カンナとは明日出掛けるから、今日はキヨと出掛ける」
カゼはキヨの手を引くと外に出て車に乗った。
カゼとカンナはキヨが家を出てから付き合い始め、今もとても幸せそうである。
キヨもケンと付き合い始めて幸せだったが、何かが満たされないでいた。
「どこ行くの?」
「………うん」
「うんって…。答えになってないけど」
キヨがカゼの顔を見てもカゼは微笑むだけで、何も教えてくれなかった。
「………キヨはもういいの?」
「え?何が?」
「………イの付く人」
カゼの言葉にキヨは顔をしかめた。
忘れようとしていた人
でも、忘れられない人
ケンと付き合って
カゼとカンナと一緒にいられて
幸せなはずのキヨが満たされない何かは
『イノリの存在』だった。
再び4人で一緒に住み始め、ケンとキヨが付き合うようになったある日。
カゼがキヨの部屋にやって来た。
「デート?カゼどっか行きたいの?」
「………うん。だから行こう」
「カンナと行かなくていいの?」
「………カンナとは明日出掛けるから、今日はキヨと出掛ける」
カゼはキヨの手を引くと外に出て車に乗った。
カゼとカンナはキヨが家を出てから付き合い始め、今もとても幸せそうである。
キヨもケンと付き合い始めて幸せだったが、何かが満たされないでいた。
「どこ行くの?」
「………うん」
「うんって…。答えになってないけど」
キヨがカゼの顔を見てもカゼは微笑むだけで、何も教えてくれなかった。
「………キヨはもういいの?」
「え?何が?」
「………イの付く人」
カゼの言葉にキヨは顔をしかめた。
忘れようとしていた人
でも、忘れられない人
ケンと付き合って
カゼとカンナと一緒にいられて
幸せなはずのキヨが満たされない何かは
『イノリの存在』だった。