祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
次の日。

就職活動が終わっている4人は、卒業まで学校もない為、家でまったりとした時間を過ごしていた。




「みんなここから通勤出来る所に就職決まってよかったよね。まぁカンナは通訳の勉強しながらだから色々大変そうだけど」


「うん、でもずっと目指してきた夢だから頑張るだけよ」




キヨは部屋で化粧をするカンナと話していた。


カンナはカゼとデートに行くとのことで、出掛ける支度をしている。




「カンナはさ、仕事が安定したらカゼと結婚するの?」



キヨの質問に動揺したカンナは手に持っていたマスカラを落とす。


キヨが転がるマスカラを拾い、カンナに差し出すとカンナは真っ赤になっていた。




「何よ、いきなり!…そりゃしたいけど、それを決めるのはカゼでしょ?私はただ信じて待ってるだけよ」

「赤くなったカンナ可愛い♪」

「やめてよ!恥ずかしいっ!!」

「でもカゼは口下手だから、プロポーズとか何て言うんだろう。うーっ…気になる!」




唸るキヨをよそに化粧を続けるカンナ。


結婚を少し意識していたカンナは微笑んでいた。





「『結婚しよう』かな。『毎朝みそ汁作って』かな?うーん、どれもピンとこない」




似てないカゼの声真似をしながら、カゼが言うかもしれないプロポーズを考えているキヨ。
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