祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
「キヨこそケンと結婚しないの?」

「あー、しないよ。付き合い始めたばかりだし、ケンのバンドが成功しないとそれどころじゃないよ」



キヨは手をぶんぶんと横に振る。


化粧を終えたカンナは、メイク道具をポーチにしまうと鏡を見ながら髪をとかしはじめた。




「じゃあキヨはプロポーズの時、何て言われたい?」



カンナの問いに真剣に考え始めるキヨ。





「…私は特別な言葉はいらないかな。ちゃんと愛してくれてるって伝わってくればいいや」


「キヨにしては真面目な答えね。キヨはもっとロマンチックな事想像してると思ってた」


「私は結構現実的だよ?カンナの方がロマンチストなんじゃない?」


「…そうかも」




キヨとカンナは微笑み合う。


すると外から車のクラクションが聞こえた。
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