祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
「カンナ、カゼが待ってるよ」

「車で出掛けるみたいだけど、どこに行きたいのかしら」

「指輪買いに行くのかもよ♪」

「キヨは気が早いってば!」



カンナはバッグを持つと苦笑いしながら外で待つカゼの元へ向かった。


外に出ると車の中には、猫踏んじゃったの曲に合わせクラクションを鳴らすカゼがいた。




「近所迷惑よ、カゼ」

「………待ちくたびれた」

「ごめんって。キヨと話してたら化粧に時間が掛かっちゃって」

「………カンナはスッピンでも十分綺麗だよ」



赤くなるカンナを見たカゼはエンジンをかけ、車を走らせた。


恥ずかしさを隠したくてCDをかけようとしたカンナは、無惨にも半分に割られたディスクに気付く。



「あれ?なんでCD割れてんの」

「………うるさいから割った。ケン、パンクのCDしか持ってないんだもん」

「…だからって割らなくても」



カンナは渋々ラジオをかけた。


ラジオは交通情報やDJが話しているものしか流れていない。




「………何かCD買ってく?」

「そうね、曲ないと寂しいし」




2人を乗せた車は近くのCDショップへと向かった。
< 213 / 479 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop