祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
17・5−1=4
キヨ、ケン、イノリ。
そしてカンナは
真っ白な顔をしたピクリとも動かないカゼの前に立っていた。
ただ眠っているだけにも見えるカゼ。
しかし、その体は冷たく生を感じない。
突然の出来事に4人は涙を流す事さえ出来なかった。
「…綺麗な顔」
カンナは病院の白いベッドに眠るカゼの頬を触ると、そう呟いた。
凛々しく綺麗な整った顔立ちのカゼ。
このまま焼かれてしまうには勿体ない。
カゼは本当にもう、目を覚まさないの?
寝ているだけじゃないの?
だって目の前にいるカゼは事故にあったなんて嘘かのように、綺麗な顔をしているよ?
それに今日、朝会った時いつものように
「………はよ」
って言ってくれた。
いつもの口調で
いつもの声で
いつもと何も変わらないカゼがいたのに…。
これは夢だよね?
こんなの嘘だよね?
こんなのやだ…
いやだぁぁぁぁ!!!!
「…キヨ、もう見るな」
震えるキヨの目を後ろから片手で塞ぐイノリ。
「キヨ、イノリ。俺らは外にいよう」
ケンに促されたキヨとイノリはカンナを残し、ケンと共に病室を出た。
キヨ達が病室の外にいると、中からカンナの嗚咽が聞こえてきた。
やっと掴んだ幸せを、こんな形で失うとは思ってもいなかったカンナ。
カンナの涙は冷たいカゼの白い頬に降り注いでいた。
そしてカンナは
真っ白な顔をしたピクリとも動かないカゼの前に立っていた。
ただ眠っているだけにも見えるカゼ。
しかし、その体は冷たく生を感じない。
突然の出来事に4人は涙を流す事さえ出来なかった。
「…綺麗な顔」
カンナは病院の白いベッドに眠るカゼの頬を触ると、そう呟いた。
凛々しく綺麗な整った顔立ちのカゼ。
このまま焼かれてしまうには勿体ない。
カゼは本当にもう、目を覚まさないの?
寝ているだけじゃないの?
だって目の前にいるカゼは事故にあったなんて嘘かのように、綺麗な顔をしているよ?
それに今日、朝会った時いつものように
「………はよ」
って言ってくれた。
いつもの口調で
いつもの声で
いつもと何も変わらないカゼがいたのに…。
これは夢だよね?
こんなの嘘だよね?
こんなのやだ…
いやだぁぁぁぁ!!!!
「…キヨ、もう見るな」
震えるキヨの目を後ろから片手で塞ぐイノリ。
「キヨ、イノリ。俺らは外にいよう」
ケンに促されたキヨとイノリはカンナを残し、ケンと共に病室を出た。
キヨ達が病室の外にいると、中からカンナの嗚咽が聞こえてきた。
やっと掴んだ幸せを、こんな形で失うとは思ってもいなかったカンナ。
カンナの涙は冷たいカゼの白い頬に降り注いでいた。