祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
19・残してくれた奇跡
星が見えない。
雲が多くて星が見えない。
明日はきっと雨が降るのだろう…
「キヨ、ここにいたんだ」
「…ケン」
カゼの通夜が終わり、キヨは昔カゼと一緒に星を見ていた場所で、夜空を見上げていた。
「…ケン、カンナは?」
「泣きもせずにずっとカゼの遺影の前に座ってる」
「…そっか」
ケンはキヨの前に立つ。
キヨは静かに涙を流していた。
「カゼはさ、無口でポーカーフェイスで何考えてるかわからなかったよね」
「そうだな。物事に無関心だったし」
「…っ…でもっ!優しかった…いつも優しくて…。…ねぇ、誰がこんな結末を望んだの?どうしてカゼが死ななきゃならないの!?どうして…どうしてよぉぉぉ!!」
キヨは泣き叫びながらケンの胸に寄りかかる。
ケンも涙を流しながら、キヨをキツく抱きしめた。
いきなり消えた存在。
当たり前のように共に生きてきた家族同然の存在が、突然この世を去った。
誰に想像が出来ただろうか。
カゼが死んだ事を頭ではわかっているのに、まだ信じられない気持ちでいるキヨ。
思い出したくないカゼとの行為さえ、今では愛しくて仕方がなかった。
雲が多くて星が見えない。
明日はきっと雨が降るのだろう…
「キヨ、ここにいたんだ」
「…ケン」
カゼの通夜が終わり、キヨは昔カゼと一緒に星を見ていた場所で、夜空を見上げていた。
「…ケン、カンナは?」
「泣きもせずにずっとカゼの遺影の前に座ってる」
「…そっか」
ケンはキヨの前に立つ。
キヨは静かに涙を流していた。
「カゼはさ、無口でポーカーフェイスで何考えてるかわからなかったよね」
「そうだな。物事に無関心だったし」
「…っ…でもっ!優しかった…いつも優しくて…。…ねぇ、誰がこんな結末を望んだの?どうしてカゼが死ななきゃならないの!?どうして…どうしてよぉぉぉ!!」
キヨは泣き叫びながらケンの胸に寄りかかる。
ケンも涙を流しながら、キヨをキツく抱きしめた。
いきなり消えた存在。
当たり前のように共に生きてきた家族同然の存在が、突然この世を去った。
誰に想像が出来ただろうか。
カゼが死んだ事を頭ではわかっているのに、まだ信じられない気持ちでいるキヨ。
思い出したくないカゼとの行為さえ、今では愛しくて仕方がなかった。