祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
20・これからもずっと
地元から帰ってきた4人。
リビングにはカゼの写真と、合鍵がついたままのカゼの携帯が置かれていた。
「ねぇ、イノリもまたここに戻ってくれば?」
「そうだな。キヨを1人に出来ねぇしな」
カンナはイノリに珈琲の入ったカップを渡す。
大切にしてきた繋がりが戻り、昔と同じ空気が流れる。
ケンとキヨは、カンナの為にマタニティ用品を買いに出掛けていた。
「お前とケンは結婚したら、ここから出て行くのか?キヨが心配してたぞ」
「ん?出て行かないわよ。ずっとここにいるわ」
「だよな。金もねぇのに新居に住めるわけがねぇか」
「そうね、ケンのバンドもまだインディーズだから貧乏家庭になるわ」
カンナとイノリは笑う。
心なしか、写真に写る無表情なカゼも微笑んでくれているように見える。
「…キヨが俺んとこに来るべきかな。あいつも新婚の邪魔をする気にならねぇだろうし」
イノリは煙草の箱を手に取ると、カンナを見てハッと箱をテーブルに置いた。
リビングにはカゼの写真と、合鍵がついたままのカゼの携帯が置かれていた。
「ねぇ、イノリもまたここに戻ってくれば?」
「そうだな。キヨを1人に出来ねぇしな」
カンナはイノリに珈琲の入ったカップを渡す。
大切にしてきた繋がりが戻り、昔と同じ空気が流れる。
ケンとキヨは、カンナの為にマタニティ用品を買いに出掛けていた。
「お前とケンは結婚したら、ここから出て行くのか?キヨが心配してたぞ」
「ん?出て行かないわよ。ずっとここにいるわ」
「だよな。金もねぇのに新居に住めるわけがねぇか」
「そうね、ケンのバンドもまだインディーズだから貧乏家庭になるわ」
カンナとイノリは笑う。
心なしか、写真に写る無表情なカゼも微笑んでくれているように見える。
「…キヨが俺んとこに来るべきかな。あいつも新婚の邪魔をする気にならねぇだろうし」
イノリは煙草の箱を手に取ると、カンナを見てハッと箱をテーブルに置いた。