祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
21・〜回想編・春〜
時は流れる。
春夏秋冬を何度も繰り返しながら…。
過ぎゆく季節は、人も街も変えてしまう。
流れる時間は永遠だから止める事も出来ず、ただ従うだけ。
そんな世界の中で
変わらないものもあるのだと
私は思った。
〜回想編・春〜
「キヨ〜、花見行くぞ」
5人は桜が咲き誇る春になると、幼稚園の頃から5人だけで毎年花見に出掛けていた。
高校生になった今でも、その習慣は欠かさない。
キヨを迎えに来た4人の元に、寝癖が付いたままキヨが家から出て来た。
「ごめんね。寝坊しちゃった」
「ったく。早くしないと場所なくなるぞ」
5人はカゼとカンナ、イノリとキヨが自転車に2人乗りをしながら花見祭りをしている場所へと向かった。
満開の桜が咲いているその場所は沢山の人で賑わっている。
自転車を指定の場所に止めると、5人は屋台の並ぶ桜道を歩いた。
「わぁ…。綺麗」
「一面ピンクね」
キヨとカンナが寄り添いながら舞い落ちる桜を見上げていると、カゼが寝癖ではねているキヨの後ろ髪に触った。
「………寝癖に花びらが絡まってる」
「え!?寝癖!?やだ、気づかなかった」
「………大丈夫。キヨらしい」
カゼはキヨの寝癖をポンっと叩くと、コクっと頷いた。
春夏秋冬を何度も繰り返しながら…。
過ぎゆく季節は、人も街も変えてしまう。
流れる時間は永遠だから止める事も出来ず、ただ従うだけ。
そんな世界の中で
変わらないものもあるのだと
私は思った。
〜回想編・春〜
「キヨ〜、花見行くぞ」
5人は桜が咲き誇る春になると、幼稚園の頃から5人だけで毎年花見に出掛けていた。
高校生になった今でも、その習慣は欠かさない。
キヨを迎えに来た4人の元に、寝癖が付いたままキヨが家から出て来た。
「ごめんね。寝坊しちゃった」
「ったく。早くしないと場所なくなるぞ」
5人はカゼとカンナ、イノリとキヨが自転車に2人乗りをしながら花見祭りをしている場所へと向かった。
満開の桜が咲いているその場所は沢山の人で賑わっている。
自転車を指定の場所に止めると、5人は屋台の並ぶ桜道を歩いた。
「わぁ…。綺麗」
「一面ピンクね」
キヨとカンナが寄り添いながら舞い落ちる桜を見上げていると、カゼが寝癖ではねているキヨの後ろ髪に触った。
「………寝癖に花びらが絡まってる」
「え!?寝癖!?やだ、気づかなかった」
「………大丈夫。キヨらしい」
カゼはキヨの寝癖をポンっと叩くと、コクっと頷いた。