祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
ケンがブツブツ文句を言いながらキヨの部屋を出ると、カンナが目の前を通り過ぎた。
「…カンナ?」
ケンがカンナの細い腕を掴むと、カンナは顔を涙でぐしゃぐしゃに濡らしていた。
「え!?何で!?どうしたんだよ」
「…今はそっとしておいて」
カンナはケンの腕を振り払うと、自室へと駆けていった。
ケンはいつも凛としていて強いカンナのあんな泣き顔を見たのは初めてだった。
いたたまれなくなったケンは足早に階段を降りていった。
リビングで平然とテレビを観ているカゼの胸倉を無意識の内に掴んでいたケン。
「カゼ!カンナに何したの!?カンナ凄い顔して泣いてたぞ!!」
「…………俺は最低だから」
「本当最低だよ!女の子泣かすなんて!!しかもカンナをだよ!?」
ケンは胸倉を掴みながらカゼを揺さぶる。
揺さぶられた振動で、カゼの長い前髪の隙間からカゼの目が覗く。
「…カゼ?なんで泣いてるの?」
前髪の隙間から見えたカゼの瞳には、涙が溢れんばかりに溜まっていた。
「………俺は…自分が嫌いだ。……カンナに酷い事を言った」
「ちょっと…カゼとカンナに何があったんだよ」
「………今は何も聞かないでくれ」
カゼはテレビの電源を消すと立ち上がり、ケンを残しリビングから立ち去った。
何が何だかわからないケンは呆然とリビングにへたり込んでいた。
「…カンナ?」
ケンがカンナの細い腕を掴むと、カンナは顔を涙でぐしゃぐしゃに濡らしていた。
「え!?何で!?どうしたんだよ」
「…今はそっとしておいて」
カンナはケンの腕を振り払うと、自室へと駆けていった。
ケンはいつも凛としていて強いカンナのあんな泣き顔を見たのは初めてだった。
いたたまれなくなったケンは足早に階段を降りていった。
リビングで平然とテレビを観ているカゼの胸倉を無意識の内に掴んでいたケン。
「カゼ!カンナに何したの!?カンナ凄い顔して泣いてたぞ!!」
「…………俺は最低だから」
「本当最低だよ!女の子泣かすなんて!!しかもカンナをだよ!?」
ケンは胸倉を掴みながらカゼを揺さぶる。
揺さぶられた振動で、カゼの長い前髪の隙間からカゼの目が覗く。
「…カゼ?なんで泣いてるの?」
前髪の隙間から見えたカゼの瞳には、涙が溢れんばかりに溜まっていた。
「………俺は…自分が嫌いだ。……カンナに酷い事を言った」
「ちょっと…カゼとカンナに何があったんだよ」
「………今は何も聞かないでくれ」
カゼはテレビの電源を消すと立ち上がり、ケンを残しリビングから立ち去った。
何が何だかわからないケンは呆然とリビングにへたり込んでいた。