祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
「冗談だよ。真に受けんなって!俺とキヨが恋人なんて考えらんねぇだろ」

「……だよね」



キヨは苦笑いしながら、心の中で舌打ちをした。





「俺が来たかったのはこっちじゃなくてあっち」



イノリが指差す方を見ると、ボーリング兼アミューズメントパークがあった。



2人は中に入るとダーツやビリヤード、バッティングなどをしてはしゃいでいた。




「ねっ、プリクラ撮ろうよ♪」

「プリクラ!?もう大学生だぞ、俺ら」

「いいじゃん。上京初日に撮って以来、撮ってないでしょ?高校の時は、よく5人で撮ったよね。懐かしいなぁ」



キヨはイノリの腕を引っ張り、プリクラの機械の中に入った。




「イノリ、お姫様抱っこして」

「はぁ!?お前最近太ったから抱っこなんて出来ねぇよ」

「失礼ね!出来るって。ほら、早く!!」




まるで恋人のような2人。


しかし、失う事を恐がり踏み出せない2人は今の関係のまま足踏みをしているだけ。




「わーい、これ携帯に貼ろ♪ぷふっ…イノリ変な顔してる」

「このキヨの方がヤベぇよ」



2人は出来上がったプリクラを見ながら笑い合っていた。
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