祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
家に帰った2人がリビングに向かうと、カゼとカンナが2人でテレビゲームをしていた。




「あれ?なんで!?」


「おかえり。もー今日キヨ炊事番でしょ?お腹空いちゃったわよ。手伝ってあげるから早く作りましょう」




カンナはキヨの手を引いてキッチンへと向かった。


リビングではイノリがケンを怒鳴りつける声が聞こえる。




「…カンナ?カゼと何かあったんじゃないの?」



キヨがリビングを気にしながら呟くと、カンナは繋いでいる手を離した。





「ちょっとカゼの中に踏み込み過ぎて怒られたの。…だから一瞬気まずかったけど、もう平気」


「告白したんじゃないの?」


「してないよ。そんな雰囲気じゃなかったから。告白はまた今度かな」


「なんだぁ〜もうケンの奴!何事かと思ったよ」




気が抜けて床にしゃがみ込むキヨを見ながら、カンナは夕食の材料を切り始めた。


リズミカルな包丁の音が響く。





「で、カゼに何の話したの?」




キヨはカンナの手伝いをしながら疑問を問い掛けた。
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