祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
「ねぇねぇ、折角海に来たんだから浜辺に散歩行こうよ」

「そうだな。いつも山ばっか見てるから海でも拝んでいくか」



キヨの意見に賛同した4人は、荷物を整理すると海へと出掛けた。



3月の海は風が強くて寒く、人気もない。




「うぅっ…海ってこんなに寒いの?私、山の方がいい」

「夏に来ればまた違ったのかもしれないわね」

「じゃあ夏にみんなで、またここに来ようよ」

「そうね。でも夏はもう東京にいるから、湘南とか房総半島の方がいいんじゃないかしら」



キヨとカンナが寄り添いながら話していると、ケンが手を挙げた。




「はいっ!俺、湘南行きたい!!サーフィンしたい♪」

「サーフィンって…。お前した事あんのかよ」

「ない!でもしたい!!サーファーってモテるイメージあるからさ」

「そんな理由かよ!溺れて死んでも知らねぇからな」




ケンがサーフィンをしている自分の姿を思い浮かべながら海を見つめていると、カゼが海に入り始めた。
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