祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
ある日の休日。



「…何だこれ…」



リビングで昼寝をしていたイノリが起きると、髪の毛に沢山のリボンが結び付けられていた。




「おはよ、イノリ」

「キヨの仕業か!!」



リビングでは、カゼの髪を結んでいるキヨがいた。




「イノリの髪は硬くて結びづらかったよ。その点、カゼはサラサラだから結びやすいね。…うん、可愛い♪カゼは女装とか似合いそうだよね」


「キヨは何がしたいんだよ!」


「私ね、何の職業が向いてるのかなって思って。だから今は美容師ごっこしてるの」



キヨはそう言うとケンの髪を結び始めた。




「キヨは優しいから保育士とか向いてるんじゃないかしら」

「保育士かぁ。小さい頃は憧れてたけどピアノ弾けないしな」

「てか、お前がガキみてぇだから先生にはなれねぇんじゃね?」

「うるさいなぁ!」



キヨはイノリに怒りながらケンの髪を結んだ。


変な髪型にされた男達を見てカンナは笑う。




「とにかく、お前は美容師には向いてねぇよ」

「じゃあパティシエは?」

「お前の料理を金払ってまで食う奴なんかいねぇって」

「じゃあ弁護士!」

「万年赤点の奴には無理だ」




次々キヨが職業を閃く度、何かとケチをつけるイノリ。
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