祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
「………キヨの将来はもう決まってる。小さい頃からね」

「へ?何か言ったっけ、私」



キヨが首を傾げるとカゼはキヨに耳打ちをする。




「………イの付く人のお嫁さん」

「やだっ…もう!…今は違うもん!!」



キヨは真っ赤になってカゼの体を押す。

カゼは笑っている。




「内緒話なんて狡いよ、カゼ〜」

「ところでみんなの将来の夢って何?カンナは通訳だってわかるけど、イノリ達は?」



キヨが男達を見るとケンは手を挙げる。




「俺はミュージシャン♪これは譲れないね」

「………俺は飯が食えるなら何でもいい」

「俺も」



夢のない現実的なカゼとイノリにため息をつくキヨとカンナ。




「今度みんなで海外旅行行きたくない?」

「話が飛んだわね。…でもいいわね。グアムとかハワイとか行きたいかも」

「私、外国人と結婚したいな。ハーフの子って可愛いし」



キヨがそう言うと、イノリはピクリと反応する。




「…英語が話せないお前には無理だ。諦めろ」

「そこはボディーランゲージで乗り越えるのっ」

「無理無理」




言い争うキヨとイノリを見て笑う3人。
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