祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
26・君にしか叶えられない願い
大学を卒業し、カンナ以外の3人が働き始めたある日。
カゼの写真が飾られているリビングに、1人の子どもの泣き声が響いていた。
「カンナ、フウが泣いてるよ」
「待って、今ミルク出来るから」
カゼとカンナの間に出来た男の子、風(フウ)。
見た目がカゼにそっくりなその子は4人に沢山の愛情を注がれていた。
「出産の前日にね、私の夢にカゼが出て来てくれたの。キヨが言ったように、風はいつもそばにいてくれてるのね」
「そうだよ。カゼはいつもカンナといるよ」
「うん。私も一生カゼと在り続けるわ」
カンナはカゼの写真が入っている写真立てを見つめ、微笑んだ。
「にしてもビックリしたよ。カンナ、ケンと結婚するわけじゃないんだね」
「私はカゼのものだもの。ケンは父親代わりよ」
「…何かケン、不憫だね」
夫婦という形にはなっているが正式に結婚はしていないカンナとケン。
カンナは今でもカゼを愛している。
ケンはそれをわかっていながらカンナとフウを養っていた。
1番強くて正義感があるのは、もしかしたらケンなのかもしれない。
キヨはそう思った。
カゼの写真が飾られているリビングに、1人の子どもの泣き声が響いていた。
「カンナ、フウが泣いてるよ」
「待って、今ミルク出来るから」
カゼとカンナの間に出来た男の子、風(フウ)。
見た目がカゼにそっくりなその子は4人に沢山の愛情を注がれていた。
「出産の前日にね、私の夢にカゼが出て来てくれたの。キヨが言ったように、風はいつもそばにいてくれてるのね」
「そうだよ。カゼはいつもカンナといるよ」
「うん。私も一生カゼと在り続けるわ」
カンナはカゼの写真が入っている写真立てを見つめ、微笑んだ。
「にしてもビックリしたよ。カンナ、ケンと結婚するわけじゃないんだね」
「私はカゼのものだもの。ケンは父親代わりよ」
「…何かケン、不憫だね」
夫婦という形にはなっているが正式に結婚はしていないカンナとケン。
カンナは今でもカゼを愛している。
ケンはそれをわかっていながらカンナとフウを養っていた。
1番強くて正義感があるのは、もしかしたらケンなのかもしれない。
キヨはそう思った。