祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
「…イノ…リ?…」
キヨが涙で滲む視界にイノリを映すと、イノリは優しい笑みを浮かべていた。
「お前の願いは俺の願いだ。これからもそれは変わらない。だから…俺の所に嫁いでこい」
あの日イノリが心の中で祈った願いもキヨと同じ“キヨを嫁にくれ”だった。
溢れんばかりの涙を流しながら何度も頷くキヨに優しくキスをすると
イノリは朝日に消える前の星空を見上げた。
カゼ?
不変の想いは存在したよ。
物心ついた時から、ずっと追い求めていたイノリという存在を私はこれからも愛し続ける。
こんなに身近な所に不変って物はあったんだよ?
「…本当は結婚なんてまだまだ先でいいと思ってたけど、お前みたいな面倒くせぇ奴は専業主婦になって家にいてくれた方が俺も安心だからな」
「面倒くせぇって何!?」
「…お前は仕事なんかしないで飯作って俺の帰りを待ってればいいって言ってんだよ!」
さっきまでのムードは何処に行ったのやら、言い合いを始める2人。
暫くして言い合いを終えるとキヨとイノリは手を繋いだ。
「よし、じゃあ俺とお前の親に報告に行くか」
「まだ寝てるんじゃない?」
「叩き起こすまでだ」
「もう。イノリらしいからいいけど」
実家に向かって歩き出す2人を優しい風が包み込んでいた。
キヨが涙で滲む視界にイノリを映すと、イノリは優しい笑みを浮かべていた。
「お前の願いは俺の願いだ。これからもそれは変わらない。だから…俺の所に嫁いでこい」
あの日イノリが心の中で祈った願いもキヨと同じ“キヨを嫁にくれ”だった。
溢れんばかりの涙を流しながら何度も頷くキヨに優しくキスをすると
イノリは朝日に消える前の星空を見上げた。
カゼ?
不変の想いは存在したよ。
物心ついた時から、ずっと追い求めていたイノリという存在を私はこれからも愛し続ける。
こんなに身近な所に不変って物はあったんだよ?
「…本当は結婚なんてまだまだ先でいいと思ってたけど、お前みたいな面倒くせぇ奴は専業主婦になって家にいてくれた方が俺も安心だからな」
「面倒くせぇって何!?」
「…お前は仕事なんかしないで飯作って俺の帰りを待ってればいいって言ってんだよ!」
さっきまでのムードは何処に行ったのやら、言い合いを始める2人。
暫くして言い合いを終えるとキヨとイノリは手を繋いだ。
「よし、じゃあ俺とお前の親に報告に行くか」
「まだ寝てるんじゃない?」
「叩き起こすまでだ」
「もう。イノリらしいからいいけど」
実家に向かって歩き出す2人を優しい風が包み込んでいた。