祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
「………トイレってどこ?」

「ケンが寄っ掛かってる壁がトイレのドアだな」




カゼはイノリの言葉を聞くと、体育座りをして眠っているケンを蹴飛ばして退かし、トイレに入っていった。


ケンは転がったまま眠っている。





「キヨ、お菓子食べる?」

「わーい!いただきます」



キヨとカンナはお菓子を食べながら思い出話をしていた。





「…うーん、いたた。俺もお腹空いた。カンナ、お菓子頂戴」

「ケン、起きるの早くね?」




ケンは起き上がると再び壁に寄っかかり、カンナからお菓子を貰う。


するとドアが開き、ケンは髪の毛を挟まれた。





「痛――!!何!?何でそこ開くの!?」




ケンは不思議そうにドアから出てきたカゼを見る。





「………トイレだからね、ここ」




カゼはトイレから出ると、イノリの横に腰掛け携帯をいじり始めた。



頭をさすりながらドアを見つめるケンを見て、キヨとカンナ、イノリは笑っていた。
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