祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
無言の車内。
暫く車を走らせていると見慣れた後ろ姿が見えた。
「カゼ!?何1人でほっつき歩いてんだよ。カンナは?」
ケンが窓を開け、カゼに話し掛けるとカゼは力無く首を横に振った。
「みんなしてなんなんだよ今日は。…とにかく乗れよ」
ケンに促されたカゼは後部座席に乗り込んだ。
静かな空気に耐えられないケンはCDをかける。
「…カゼ、カンナに聞いたのか?お兄さんのこと」
ケンが遠慮がちに聞くとカゼは重い口を開いた。
「………聞いた。俺が殺したようなもんだ」
「殺した?えっ!?お兄さんもしかして…」
キヨが目を見開きながらカゼの顔を見ると、カゼは頷いた。
まさかの結果を招いてしまったことにキヨは涙を流す。
「お兄さんの事はその…何て言っていいかわからないけど、仲が悪かったからってそう自分を責めるなよ。カゼが悪いわけじゃないんだし」
「………俺が願った事だ」
カゼの言葉の意味がわからないケンは首を傾げる。
「そうだ。お兄さんの奥さんには知らせたのか?」
「………美咲さんは兄貴のこと何も知りたくないと思うよ」
「どういう事?」
ケンとキヨはルームミラー越しにカゼの顔を見る。
暫く車を走らせていると見慣れた後ろ姿が見えた。
「カゼ!?何1人でほっつき歩いてんだよ。カンナは?」
ケンが窓を開け、カゼに話し掛けるとカゼは力無く首を横に振った。
「みんなしてなんなんだよ今日は。…とにかく乗れよ」
ケンに促されたカゼは後部座席に乗り込んだ。
静かな空気に耐えられないケンはCDをかける。
「…カゼ、カンナに聞いたのか?お兄さんのこと」
ケンが遠慮がちに聞くとカゼは重い口を開いた。
「………聞いた。俺が殺したようなもんだ」
「殺した?えっ!?お兄さんもしかして…」
キヨが目を見開きながらカゼの顔を見ると、カゼは頷いた。
まさかの結果を招いてしまったことにキヨは涙を流す。
「お兄さんの事はその…何て言っていいかわからないけど、仲が悪かったからってそう自分を責めるなよ。カゼが悪いわけじゃないんだし」
「………俺が願った事だ」
カゼの言葉の意味がわからないケンは首を傾げる。
「そうだ。お兄さんの奥さんには知らせたのか?」
「………美咲さんは兄貴のこと何も知りたくないと思うよ」
「どういう事?」
ケンとキヨはルームミラー越しにカゼの顔を見る。