祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
「…何だよ、こんな時間に電話すんじゃねぇ」


「うっせぇ!お前キヨに何してんだよ!!まじふざけんな」


「俺が何しようがお前には関係ねぇだろ」


「関係ある!キヨの事が好きだから!!」




ケンの言葉に固まるイノリ。

助手席で聞いていたキヨも固まる。




「………ケン。ちょっと俺に話させて」



カゼはケンから携帯を受け取る。

ケンは真っ赤に頬を染めながらキヨを見つめた。




「俺、本気だからね!イノリになんか渡さない」

「ケン…」



キヨとケンが赤くなりながら見つめ合っている後ろで、カゼはイノリと話していた。




「………イノリ。そろそろ素直にならないと本当にマズいよ」

「何の事だよ!俺は別にキヨなんて…」

「………そう、じゃあ俺がキヨを貰う。だからキヨに何しても文句言うなよ。じゃ」




カゼは一方的に通話を切ると、ケンに携帯を返した。





「………ちょっと刺激してやったよ。そろそろ俺らの関係にもケリを付ける時だ」




カゼはそう呟くと腕を組んで目を閉じた。
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