祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
「イノリ!!カンナ!!」



イノリの家に着いたキヨ達。


キヨとカゼは車の中に残り、ケンだけがイノリの家に入り、部屋に走って向かう。



部屋に入ると、ベッドに座りながらイノリとカンナが話していた。

服は着ている。




「何だよ、夜中に人ん家押し掛けて」

「イノリとカンナ…ヤってないよね?」



ケンが険しい顔をしながら2人を見ると、カンナが笑い出した。




「当たり前でしょ。私はイノリなんかとしないわよ。っていうか、イノリが私なんかに手を出さないわ」


「別に俺は誰でもいいけどな」


「そんな事言って。さっきまでキヨの話ばかりしてたのは誰よ」




カンナは意地悪そうに笑いながら、赤くなるイノリをつついた。




「でもねイノリ。私、カゼにフラれたって言ったでしょ。きっとカゼはキヨみたいに優しさを与えてくれる子が好きなんだよ。

だからあんたがいつまでも冷たくしてると、キヨもカゼを好きになっちゃうわよ?…無口だけど、カゼは優しいからね」


「え?カンナ、フラれたの!?」




驚くケンにカンナは頷く。




「…ケン。キヨとカゼは?」

「ん?…あぁ、車の中でラブラブしてるよ」




ケンの言葉を聞いたイノリは勢いよく部屋から飛び出して行った。
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