祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
「キヨ。私ね、イノリが隠してきた事少し知ってるの…。今まで言わなくてごめんなさい。言ってはいけないと想って、言わなかったの」



カンナはキヨの体を離し、涙を拭く。




「イノリが隠してきた事?…何それ!?」



キヨはカンナの両腕を掴む。


カンナはキヨの頭を撫でると話し始めた。





「…イノリはね…昔から大切にしている人がいるの」

「え?イノリ彼女いたっけ?」

「彼女じゃないわ。でも大切にしていた」

「誰?私の知ってる人?」



キヨがカンナを見つめると、カンナは頷いた。





「……キヨの、お姉さんよ」



キヨは言葉を失った。



キヨの姉である華月(かづき)は、キヨ達より3歳年上で今はもう結婚をしている。




「…なんでお姉ちゃんとイノリが…?私…全然知らなかった…」




キヨは椅子から落ち、床にへたり込む。
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