祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
大学に着いた5人は講義室へと向かった。


外見が整っているカゼとカンナは、歩いていると色んな人に声を掛けられる。




「あの2人って絵になるよね。付き合っちゃえばいいのに」


「そう簡単に付き合えてんなら付き合ってんだろ」


「カゼはカンナの何がダメなんだろう。あんな完璧なのに」




先に講義室に着き、席に座ったキヨとイノリは2人について話していた。




「ちょっと!何で誰も待っててくれないんだよ〜」



門の前で4人を降ろし、1人駐車場に車を置きに行っていたケンがやってきた。




「ごめんね、ケン」

「キヨは許す。イノリは許さねぇ!お前明日から歩いて行け!!」

「うっせぇな。黙ってろ」



イノリは面倒くさそうにケンをあしらうと、携帯をいじり始めた。



イノリの携帯に揺れる合鍵。


そして5人お揃いのシンプルな輪っかのネックレスがイノリの首に掛かっているのを見て、キヨは少し幸せを感じていた。


5人はそのネックレスを肌身はなさず身につけている。




「ねっ!ねっ!!イノリ今日バイト休みでしょ?帰りどっか寄って帰ろうよ」

「あー?…仕方ねぇな、どこ行くか考えとけよ」




2人のやり取りを都合が悪そうに見つめるケン。
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