祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
カンナは掛けてあげる言葉が見つからなかった。
カンナが困り果てていると部室にケンがやってきた。
「よっ!ケン様の参上だよ♪……ってキヨ!?どうした?」
床にへたり込みながら嗚咽するキヨに気付いたケンは、キヨとカンナに駆け寄る。
「カンナ、何があったの!?」
「…イノリの真実を話しちゃったの」
「イノリの真実?…あぁ、俺も昨日聞いたよ。本人から」
ケンは複雑な面持ちでしゃがみ込むと、キヨの頭を撫でた。
「キヨ、辛いかもしれないけど真実なんだ。過去の事を悲しんでも仕方がない。…大丈夫、今のイノリはキヨが好きなんだから」
「……私はイノリなんか好きじゃないっ…!」
キヨは顔を上げるとケンを睨む。
ケンは苦笑いしながら自分の胸にキヨを抱き寄せた。
カンナはケンを気遣って部室から出て行った。
…いや、気遣ったのではないのかもしれない。
自分ではどうする事も出来ないから、ケンに託しただけだったのかもしれない。
カンナは部室から出るとイノリに電話を掛けた。
2人になった部室でケンはキヨが落ち着くまで、そのまま抱きしめていた。
「…ケン…。私…これからどうしたらいい?……イノリの事諦めるべき?でも今諦めたらきっと…イノリもお姉ちゃんも恨む事になる…」
「好きなだけ好きでいればいい。もしそれで諦められたら…俺を好きになればいいよ。俺はキヨだけを大切にする」
「…ありがとう。私も最初からケンを好きになっていればよかったなぁ」
「そんな可愛い事言うな。今すぐ俺のものにしたくなるだろ」
ケンはキヨを体から離すと、ニカッと笑った。
「ドライブでも行くかぁ?キヨの行きたい所に連れてってあげるよ」
ケンが立ち上がりポケットから車のキイを取り出すと、キヨはケンの背中に抱きついた。
カンナが困り果てていると部室にケンがやってきた。
「よっ!ケン様の参上だよ♪……ってキヨ!?どうした?」
床にへたり込みながら嗚咽するキヨに気付いたケンは、キヨとカンナに駆け寄る。
「カンナ、何があったの!?」
「…イノリの真実を話しちゃったの」
「イノリの真実?…あぁ、俺も昨日聞いたよ。本人から」
ケンは複雑な面持ちでしゃがみ込むと、キヨの頭を撫でた。
「キヨ、辛いかもしれないけど真実なんだ。過去の事を悲しんでも仕方がない。…大丈夫、今のイノリはキヨが好きなんだから」
「……私はイノリなんか好きじゃないっ…!」
キヨは顔を上げるとケンを睨む。
ケンは苦笑いしながら自分の胸にキヨを抱き寄せた。
カンナはケンを気遣って部室から出て行った。
…いや、気遣ったのではないのかもしれない。
自分ではどうする事も出来ないから、ケンに託しただけだったのかもしれない。
カンナは部室から出るとイノリに電話を掛けた。
2人になった部室でケンはキヨが落ち着くまで、そのまま抱きしめていた。
「…ケン…。私…これからどうしたらいい?……イノリの事諦めるべき?でも今諦めたらきっと…イノリもお姉ちゃんも恨む事になる…」
「好きなだけ好きでいればいい。もしそれで諦められたら…俺を好きになればいいよ。俺はキヨだけを大切にする」
「…ありがとう。私も最初からケンを好きになっていればよかったなぁ」
「そんな可愛い事言うな。今すぐ俺のものにしたくなるだろ」
ケンはキヨを体から離すと、ニカッと笑った。
「ドライブでも行くかぁ?キヨの行きたい所に連れてってあげるよ」
ケンが立ち上がりポケットから車のキイを取り出すと、キヨはケンの背中に抱きついた。