祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
6・追えない距離
キヨはその日の夜、イノリの部屋を訪れた。
「イノリ、入るよ」
キヨはノックをしてから部屋の中へ入る。
イノリは腕で顔を覆いながらベッドに寝そべっていた。
「イノリ?寝てるの?」
「…起きてるよ。何?」
イノリは面倒くさそうに体を起こすと、頭を掻いた。
「…単刀直入に聞くけどイノリ、お姉ちゃんと付き合ってたの?」
「何だよ、ケンに聞いたのか?」
「カンナに聞いた。カンナ、お姉ちゃんと仲良かったからお姉ちゃんに聞いたんだって」
イノリはふーんと相槌を打つと煙草を手に取り、くわえる。
「付き合ってねぇよ。華月の相談相手になってただけ」
「でもヤッたんでしょ!?」
キヨがイノリを睨むと、イノリは煙を吐き出しながらキヨを見る。
「俺が誰と何しようが俺の勝手だろ。お前には関係ない」
「関係あるよ!イノリは勝手過ぎる。自分だけ好き放題言ったりしたりして…。私がどれだけ辛い想いしてるかわかってるの!?」
キヨは声を張り上げて怒鳴る。
いつもいつもイノリは
『お前とは結婚しねぇ』
とか
『お前には関係ない』
と、私を突き放す。
受け入れるつもりがないのなら
そうやって距離を作るのなら
『好きだ』なんて言わないで欲しかったよ…。
でも…
私がイノリを好きなのは紛れもない真実だ。
「イノリ、入るよ」
キヨはノックをしてから部屋の中へ入る。
イノリは腕で顔を覆いながらベッドに寝そべっていた。
「イノリ?寝てるの?」
「…起きてるよ。何?」
イノリは面倒くさそうに体を起こすと、頭を掻いた。
「…単刀直入に聞くけどイノリ、お姉ちゃんと付き合ってたの?」
「何だよ、ケンに聞いたのか?」
「カンナに聞いた。カンナ、お姉ちゃんと仲良かったからお姉ちゃんに聞いたんだって」
イノリはふーんと相槌を打つと煙草を手に取り、くわえる。
「付き合ってねぇよ。華月の相談相手になってただけ」
「でもヤッたんでしょ!?」
キヨがイノリを睨むと、イノリは煙を吐き出しながらキヨを見る。
「俺が誰と何しようが俺の勝手だろ。お前には関係ない」
「関係あるよ!イノリは勝手過ぎる。自分だけ好き放題言ったりしたりして…。私がどれだけ辛い想いしてるかわかってるの!?」
キヨは声を張り上げて怒鳴る。
いつもいつもイノリは
『お前とは結婚しねぇ』
とか
『お前には関係ない』
と、私を突き放す。
受け入れるつもりがないのなら
そうやって距離を作るのなら
『好きだ』なんて言わないで欲しかったよ…。
でも…
私がイノリを好きなのは紛れもない真実だ。