祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
「…フラるのより辛い。想いを伝えられないのは何よりも辛い事だよ?中途半端な事されるくらいなら、フラれた方がよかったよ。イノリにわかる?この気持ち」
キヨが目を潤ませながら訴えかけると、イノリは煙草の火を消しキヨを抱きしめた。
「俺はお前を不幸にしたくないだけだ。お願いだから…幸せになってくれよ、キヨだけは…」
イノリはそう呟くと、キヨの細い肩に顔を埋めた。
「…イノリはバカだよ。救いようのないバカだわ」
「バカっていうな。キヨよりバカじゃねぇし」
「だってそうじゃない。私はイノリといられない方が辛い。想いを伝えられない今が1番不幸だよ」
キヨは顔をうずめるイノリの髪を撫でた。
「イノリ…好きだよ。ずっと物心ついた時から私はイノリだけを見てた。…やっと言わせてくれたね」
キヨがそう言うと、イノリは顔をゆっくり上げキヨを見つめた。
イノリの瞳は葛藤と闘っているように揺れていた。
一生繋がる事のない想いだったとしても
今ここで拒否されて砕ける想いだったとしても
イノリに伝えられた事で今までの全てが報われた気がするの。
物心ついてからの私の想いも
イノリとのこれまでの日々も、無駄じゃなかったんだって。
だけどね、
悲しそうな、困っているような、泣き出しそうな、答えに迷っているイノリの瞳が私に、何かを訴えかけている。
「…何も迷わないで。私はイノリの全てを受け止めるから。ちゃんと向き合うから。…お願いだから距離を作らないで。これ以上離れて行ったら私はあなたを見失ってしまう。……恐いよ。イノリのいない世界が恐い」
「キヨっ…!!」
イノリは震えながら泣き出したキヨを強く抱きしめた。
キヨが目を潤ませながら訴えかけると、イノリは煙草の火を消しキヨを抱きしめた。
「俺はお前を不幸にしたくないだけだ。お願いだから…幸せになってくれよ、キヨだけは…」
イノリはそう呟くと、キヨの細い肩に顔を埋めた。
「…イノリはバカだよ。救いようのないバカだわ」
「バカっていうな。キヨよりバカじゃねぇし」
「だってそうじゃない。私はイノリといられない方が辛い。想いを伝えられない今が1番不幸だよ」
キヨは顔をうずめるイノリの髪を撫でた。
「イノリ…好きだよ。ずっと物心ついた時から私はイノリだけを見てた。…やっと言わせてくれたね」
キヨがそう言うと、イノリは顔をゆっくり上げキヨを見つめた。
イノリの瞳は葛藤と闘っているように揺れていた。
一生繋がる事のない想いだったとしても
今ここで拒否されて砕ける想いだったとしても
イノリに伝えられた事で今までの全てが報われた気がするの。
物心ついてからの私の想いも
イノリとのこれまでの日々も、無駄じゃなかったんだって。
だけどね、
悲しそうな、困っているような、泣き出しそうな、答えに迷っているイノリの瞳が私に、何かを訴えかけている。
「…何も迷わないで。私はイノリの全てを受け止めるから。ちゃんと向き合うから。…お願いだから距離を作らないで。これ以上離れて行ったら私はあなたを見失ってしまう。……恐いよ。イノリのいない世界が恐い」
「キヨっ…!!」
イノリは震えながら泣き出したキヨを強く抱きしめた。