祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
その頃、新しいアパートに荷物を運び終えたイノリ。
「本当にこれでいいのか?」
手伝いに来たケンとカゼは、窓の外を眺めるイノリに問う。
「あぁ悔いはない。…今まで間違った事ばかりして逃げてきた俺は、1からやり直したいんだ」
「………キヨはいいのか?」
カゼの問い掛けにイノリは切なそうな顔をしながら頷いた。
「キヨは彼女なんていう響きより大切だから、誰よりも幸せでいて欲しい。…それには俺がいたら駄目なんだ」
「そんな格好いい事言ってると俺がキヨ奪っちゃうからな!」
「それでもキヨが幸せになるなら…構わない。でも俺はずっとキヨが好きだよ」
イノリの初めての素直な言葉にカゼは微笑んだ。
「………素直なイノリ、いいね」
カゼはグッと立てた親指をイノリに向ける。
「そうだ。合鍵返さなきゃな」
イノリはジーパンのポケットから携帯を取り出すと、ストラップにしている合鍵を外そうとする。
「本当にこれでいいのか?」
手伝いに来たケンとカゼは、窓の外を眺めるイノリに問う。
「あぁ悔いはない。…今まで間違った事ばかりして逃げてきた俺は、1からやり直したいんだ」
「………キヨはいいのか?」
カゼの問い掛けにイノリは切なそうな顔をしながら頷いた。
「キヨは彼女なんていう響きより大切だから、誰よりも幸せでいて欲しい。…それには俺がいたら駄目なんだ」
「そんな格好いい事言ってると俺がキヨ奪っちゃうからな!」
「それでもキヨが幸せになるなら…構わない。でも俺はずっとキヨが好きだよ」
イノリの初めての素直な言葉にカゼは微笑んだ。
「………素直なイノリ、いいね」
カゼはグッと立てた親指をイノリに向ける。
「そうだ。合鍵返さなきゃな」
イノリはジーパンのポケットから携帯を取り出すと、ストラップにしている合鍵を外そうとする。