祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
「キヨ?帰ってるの?」
キヨを捜しに行っていたケンが家に帰ってくると、風呂場から凄い水の音が聞こえるのに気付いた。
不審に思ったケンが風呂場へ行くと、手首から血を流して浴槽にもたれているキヨがいた。
「――っ!?キヨっ!!!!」
青ざめたケンがキヨを抱き上げると、キヨはぐったりとして動かない。
息も薄かった。
ケンはキヨの手首にタオルを縛り止血すると、すぐに救急車を呼びキヨと共に病院へと向かった。
キヨに巻いた白いタオルはすぐに真っ赤に染まった。
「ケン!キヨは!?」
ケンから連絡を受けたカゼとカンナは、指定された病室へと駆け込んできた。
病室には涙を流しながら青ざめるケンと、血の気のない顔で眠るキヨがいた。
キヨの手首には分厚い包帯が巻かれている。
「………キヨの容態は?」
「傷は残っちゃうみたいだけど…目が覚めれば大丈夫だって」
「………よかった。でもなんでこんな事したんだろう」
「…俺が…ちゃんと見てなかったからだ。キヨを1人にしたからっ…」
「やめて。ケンのせいなんかじゃないわ。きっとキヨは、どうしていいのかわからなくなってしまったのよ…」
カンナは震えるケンの肩にそっと手を置いた。
「………イノリには知らせた?」
「うん。多分そのうち来るよ。キヨが自殺しようとしたって電話で伝えたら、凄く動揺してたから」
3人がキヨを見つめていると、遠くで誰かが走っている足音が聞こえてきた。
足音は次第に近付いてくる。
「…キヨ!!!!」
足音の主はイノリだった。
息を切らし、青ざめたイノリは白い顔のキヨに近付く。
キヨを捜しに行っていたケンが家に帰ってくると、風呂場から凄い水の音が聞こえるのに気付いた。
不審に思ったケンが風呂場へ行くと、手首から血を流して浴槽にもたれているキヨがいた。
「――っ!?キヨっ!!!!」
青ざめたケンがキヨを抱き上げると、キヨはぐったりとして動かない。
息も薄かった。
ケンはキヨの手首にタオルを縛り止血すると、すぐに救急車を呼びキヨと共に病院へと向かった。
キヨに巻いた白いタオルはすぐに真っ赤に染まった。
「ケン!キヨは!?」
ケンから連絡を受けたカゼとカンナは、指定された病室へと駆け込んできた。
病室には涙を流しながら青ざめるケンと、血の気のない顔で眠るキヨがいた。
キヨの手首には分厚い包帯が巻かれている。
「………キヨの容態は?」
「傷は残っちゃうみたいだけど…目が覚めれば大丈夫だって」
「………よかった。でもなんでこんな事したんだろう」
「…俺が…ちゃんと見てなかったからだ。キヨを1人にしたからっ…」
「やめて。ケンのせいなんかじゃないわ。きっとキヨは、どうしていいのかわからなくなってしまったのよ…」
カンナは震えるケンの肩にそっと手を置いた。
「………イノリには知らせた?」
「うん。多分そのうち来るよ。キヨが自殺しようとしたって電話で伝えたら、凄く動揺してたから」
3人がキヨを見つめていると、遠くで誰かが走っている足音が聞こえてきた。
足音は次第に近付いてくる。
「…キヨ!!!!」
足音の主はイノリだった。
息を切らし、青ざめたイノリは白い顔のキヨに近付く。