祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
「明日はケンの家の前が待ち合わせ場所だよね。イノリ、寝坊しないようにね」


「わかってる。てか明日はカンナん家の前じゃねぇの?」


「あれ、そうだっけ?まぁ外出たらわかるからいっか。じゃあまた明日ね」




5人は毎日交換で待ち合わせ場所を変え、小学校に登校している。


イノリと別れキヨは家に入った。



一緒にいれれば幸せで
隣りにいられたら満足だった。



そんな毎日を当たり前のように過ごしながら、
5人が高校入学を控えたある日。

キヨが家に帰ると両親と姉が喧嘩していた。




「何を考えてるんだ!お前をそんな娘に育てた覚えはない!!」


「そんな娘に育ったんだから仕方ないでしょう!?何と言われようと私は結婚するわ」


「お前はまだ18だぞ!?そんな勝手は許さない!」




キヨがドアの前で話を聞いていると、華月が部屋から飛び出してきた。





「…お姉ちゃん、どういう事?」



両親との会話を聞いていたキヨは、華月の服を掴む。




「美月、私は家を出て行くわ。結婚するの」

「え?なんでそんないきなり…」

「赤ちゃんが出来たの。だからよ」




華月はそれだけ言うと、自室へと閉じこもった。
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