そのうち削除
片づけが終わったらしい彼は私の腕を掴むとベリッと引きはがす。
あー……まだくっついていたかったのに!
少しだけふて腐れていると。
そのままクルリと体の向きを変え、私と向き合う形をとった。
自分よりも頭ひとつ分以上高い位置にある彼の顔を見上げる。
「たか……んきゃっ!」
電話での話をしようかと思った時に、彼は右手の親指と人差し指で私の鼻を摘まんだ。
なんでこんなことを?
「たぁんかぁせぇく……ばなじて」
彼の行動が不思議で。
話す度に変な声が出るので鼻を解放してほしいと頼むが、彼は無表情で立っているだけ。
というか、呆れているような感じも受け取れる。
ジーッと見ていると。
「いっつも言ってるだろ。急に引っ付くな。動きにくいだろーが」
怒られた。
八岐大蛇とまでは言わないけれど、ちょっぴりお怒りのご様子だ。
そうですよね、何も言わずにいきなり抱きついて。
せっかく洗い物とかしてくれているのに邪魔したんだから。
「ご、ごめんなじゃい……」
素直に謝罪の言葉を述べると、ようやく鼻が解放される。
地味に痛かったです、はい。
たぶん赤くなってるはずだね。
あー……まだくっついていたかったのに!
少しだけふて腐れていると。
そのままクルリと体の向きを変え、私と向き合う形をとった。
自分よりも頭ひとつ分以上高い位置にある彼の顔を見上げる。
「たか……んきゃっ!」
電話での話をしようかと思った時に、彼は右手の親指と人差し指で私の鼻を摘まんだ。
なんでこんなことを?
「たぁんかぁせぇく……ばなじて」
彼の行動が不思議で。
話す度に変な声が出るので鼻を解放してほしいと頼むが、彼は無表情で立っているだけ。
というか、呆れているような感じも受け取れる。
ジーッと見ていると。
「いっつも言ってるだろ。急に引っ付くな。動きにくいだろーが」
怒られた。
八岐大蛇とまでは言わないけれど、ちょっぴりお怒りのご様子だ。
そうですよね、何も言わずにいきなり抱きついて。
せっかく洗い物とかしてくれているのに邪魔したんだから。
「ご、ごめんなじゃい……」
素直に謝罪の言葉を述べると、ようやく鼻が解放される。
地味に痛かったです、はい。
たぶん赤くなってるはずだね。