そのうち削除
「私……」
さっき電話で伝えられた、新たなお仕事。
「夏の連ドラ主演が決まりました!」
口に出すと、なんだか現実味が増してきて笑顔で彼に向かって伝えた。
そう……先ほどのマネージャーからの伝達は、突如舞い込んだお仕事のこと。
7月から始まる夏の連続ドラマで、私が主演するんだって!
昨年大ヒットしたケータイ小説を実写化するらしいんだけど、そのヒロインを演じるの。
詳しいことはまだ聞いてないからわからないけど……。
歌やダンスだけじゃないお仕事が来たことが嬉しい。
自分にできるが不安な部分もあるけど、楽しみという感情が勝ってる。
「どうしよう、高瀬くん。ドラマだって!!」
喜びでピョンピョンとその場で飛び跳ねながら彼の腕に自分の腕を絡めた。
見上げた彼は、最初こそ驚いたのか目を見開いたけど、その後はふんわりと笑ってくれる。
テンションの高い私を落ち着かせるようにポンポンと頭を撫でた。
「よかったな」
そう一言。
それだけで、私は満面の笑みで『うん!!』と頷いて見せた。