私達は机の落書きから始まった。
 
 
ピアスね、何度が開けようと思ったけど、痛そうで…
 
 
「痛いの嫌なんだもん。」
 
 
「痛くねぇよ。」
 
 
そんなの絶対嘘だ。
 
 
だって、耳に穴を開けるんだよ?
 
 
貫通してんだよ?
 
 
いやいやいや、
どう考えたって、痛くないわけないやん!
 
 
「なんなら、俺が開けようか?」
 
 
平然と遼平が提案してきた。
 
 
「い…痛くしない?」
 
 
「しないしない。優しくする。」
 
 
遼平が開けてくれるなら、開ける勇気が出そうな気がした。
 
 
我ながら、単純だ。
 
 
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