私達は机の落書きから始まった。
 
 
痛くなかったって言ったら嘘になるけど…
 
 
「うん。痛くなかった。」
 
 
遼平の心配した顔を見たら、痛いなんて言えない。
 
 
それに、恥ずかしさで痛さなんて、吹っ飛んじゃったよ。
 
 
でも…
 
 
「嘘つきだな…」
 
 
よく我慢できたね、と、頭を撫でた遼平の手が心地良い。
 
 
「嘘じゃないよ?」
 
 
私の言ってることにも、はいはいと流しながら
 
 
「ちょっと目ぇ閉じてて」
 
 
「え?」
 
 
「いいから‼」
 
 
半ば強制的に目を閉じさせられた。
 
 
何されるんだろ…
 
 
怖いような…
 
 
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