私達は机の落書きから始まった。
 
 
あれ?
 
 
何も起きない?
 
 
「よし、もういいよ。」
 
 
遼平の合図で、恐る恐る目を開ける。
 
 
目の前には、ニコッと笑う遼平がいるだけで、なにも変わった様子はない。
 
 
ん?あれ?
 
 
右耳に違和感がある?
 
 
右耳に手を当てると、その違和感の原因がわかった。
 
 
「…これ」
 
 
遼平の顔を見ると、柔らかく笑って
 
 
「頑張ったご褒美。
 
今度軟骨に開けたら、付けようと思ってたんだけど、菜々ちゃんにあげる。」
 
 
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