私達は机の落書きから始まった。
今、私と優里が取り掛かってるのは、看板の色塗り。
ひたすらバナナに黄色のペンキを塗ってる最中だ。
「ねぇ…明後日だけど、間に合うのかな?」
私が優里に聞くと
「……間に合わせるの!
藤岡(クラス委員)見てみ?
あの焦り具合…間に合わなかったら泣くよ?」
優里の指の先にいる藤岡は、今にも泣き出しそうだ。
今まで、皆サボってたからツケが回ってきたんだ。
「泣かせるのは良くないね…」
これば、学祭まで屋上に行ってる暇ないや。
きっと、遼平もそんな暇ないはず。
…参加してるのか?
確か、お化け屋敷やるって言ってたっけ。
とにかく、目の前の大きな看板に集中しなきゃ…