私達は机の落書きから始まった。
 
 
「お…終わったぁぁあ」
 
 
下校時間ギリギリで何とか間に合った。
 
 
いつもなら、人数少ない時間だけど、今日は休み時間のように人が残っていた。
 
 
はぁ…
 
 
とりあえず、疲れた…
 
 
「菜々、またほっぺに付いてるよ。
トイレで取っておいでよ。」
 
 
ここ、と私の右頬に指を指す優里。
 
 
やってる最中は、そんな事気にしてなかったけど、冷静になると、少し恥ずかしい。
 
 
「うそっ、ちょっと行って来る!」
 
 
教室を飛び出して、下を向きながら歩いていると、
 
 
ドンッ
 
 
誰かにぶつかってしまった。
 
 
「ご、ごめんなさい。」
 
 
顔を上げると、目の前に立っていたのは……
 
 
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