私達は机の落書きから始まった。
それでも、いつかは離さなければいけなくて…
「そろそろ、帰ろっか。」
「……うん」
本当はまだ帰りたくない。
まだ一緒にいたい。
まだ手を繋いでいたい。
そんな気持ちを込めて、右手を強く握る。
遼平は、フッと笑って 私に上を向かせると、優しく唇が重なった。
辺りは暗くなっているとはいえ、人がいる。
恥ずかしさのあまりに、顔を逸らすと、今度は力強く重なり合う。
私に逃げる隙を与えないように。