私達は机の落書きから始まった。
 
 
「俺には菜々ちゃんがいるからいいの」
 
 
ニコッと笑う遼平を見て、胸が締め付けられる。
 
 
嬉しいはずの言葉なのに……
 
 
違うとわかってしまっているから、尚更痛いんだ。
 
 
実は、遼平の告白の場面に遭遇したのは、今日が初めてというわけではない。
 
 
まだ、好きだと気付く前に何度かある。
 
 
その時も同じ返しだった。
 
 
あの時と、今とでは全然違う。
 
 
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