私達は机の落書きから始まった。
 
 
好きだよ。
 
 
大好きなの。
 
 
そう、言えたらどんなに楽か…
 
 
遼平の笑顔を見てると、
 
 
遼平の寂しそうな顔を見てると、
 
 
咄嗟に出てしまいそうになる。
 
 
大好き。
 
 
こんなにも近くにいるのに…
 
 
すごく遠く感じる。
 
 
さっきの女の子よりも、きっと遠いんだ。
 
 
それでも、私はずるいから…
 
 
言わずに近くにいる。
 
 
遼平の一番近くで、一番遠い場所に。
 
 
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