私達は机の落書きから始まった。
 
 
「聞いてんの?」
 
 
私の髪の毛を引っ張る。
 
 
痛いとかじゃなく、優しく。
 
 
「聞いてるよ。」
 
 
「じゃ、あんま見んな。」
 
 
「やだよ。」
 
 
見るくらいさせてよ。
 
 
私の気持ちが伝わっちゃえばいいのに…
 
 
「ねぇ、もっと身乗り出して?」
 
 
遼平の言われた通り、私達の間にある机に少し身を乗り出す。
 
 
「こう?」
 
 
「…そう。
 
ほら、これでキスできる。」
 
 
遼平も少し身を乗り出して、私にキスをした。
 
 
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