私達は机の落書きから始まった。
放課後。
帰る支度をしていると、
「ねぇ……さっき 猛が菜々のこと探してたよ。」
トイレに行っていた優里が戻って来た。
猛が?
でも、時間過ぎてるし…
急ぎの用だったらメールくるでしょ。
「わかった。
でも、私行くね。
また明日!」
優里に別れを告げて教室を出た。
向かった先は、いつもの教室。
まだ遼平は来てないみたい。
窓際に座って、校庭を眺めていると、誰が入ってくる音がした。
「遼平……」
振り向くと、遼平ではなく、猛だった。