私達は机の落書きから始まった。
また少し大人びた遼平が、あの憎めない笑顔で立っていた。
溢れ出す涙を抑えきれず…
「……な……んで?」
「それとも、俺じゃ不満かな?
俺は、お姉さん好きだよ。」
聞き覚えのある言葉。
遼平は両腕を広げた。
「菜々ちゃんの嘘は分かんだよ。
俺には嘘つくなって言ったろ?
ほら。」
遼平は、本当にずるいよ。
私に選択肢を与えないんだもん。
この後、私が飛び込んでいったか……
それは、また別のお話。