私達は机の落書きから始まった。
 
 
私が離れた瞬間に、再び腕の中に。
 
 
「嘘だよ。
 
俺の嘘くらい分かんねぇの?
 
鈍ったのな?」
 
 
嘘?
 
 
嘘って何が?
 
 
「いや、偶然っちゃ偶然だけど…
 
菜々ちゃんがいるような気がしたから来たの!」
 
 
へ?
 
 
遼平の言ってる意味を理解するのに、少し時間が掛かった。
 
 
「それって……
 
でも、なんで?
 
彼女は?」
 
 
あんなに好きだった舞ちゃんがいるのに…
 
 
なんで?
 
 
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