私達は机の落書きから始まった。
 
 
優里の隣に友美が座った。
 
 
女性学の講義は一緒なのだ。
 
 
「ねぇねぇ、菜々ちゃん。」
 
 
優里の横からヒョコッと顔を出して、上目遣いで見られる。
 
 
嫌な予感がする。
 
 
「やっぱり、私……
 
遼平君もらっちゃっていい?」
 
 
ほら。
 
 
昨日から、なんとなく予想してた言葉。
 
 
でも、実際に聞くと、何て言えばいいのかわからない。
 
 
遼平は私の!
なんて、口が裂けても言えない。
 
 
やだ…
言ったところで友美には関係ないだろう。
 
 
遼平は渡さない!
言えたらかっこ良いな……
 
 
私が答える前に、友美に先手を討たれた。
 
 
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