私達は机の落書きから始まった。
私がそう言うと、フッと笑って
近くの教室に引っ張られた。
電気を付けると、遼平の顔が間近にある。
目を逸らそうにも、そらせない。
遼平の薄い茶色の瞳に映る。
全てを見透かされてるみたいに…
「ねぇ、菜々ちゃん。
忘れた?
俺には菜々ちゃんの嘘は分かるんだよ。」
なんで分かる嘘をつくの?と、顔を近付ける。
触れそうになるくらいの距離。
「……遼平には言えない…」
言えるはずがない。
遼平の事を考えてた。なんて。